金曜日、仕事が終わったあとにエレベーターホールでエレベーターを待っていた。下行きのボタン押して携帯でツイッター見ながら待っていたら、スーツの女がわたしを抜いて前に立った。そしてエレベーターが来たら何食わぬ顔でわたしより先にエレベーターに乗った。
土曜日、街へ行くのにバスを待っていた。風が強いなあ、目がシパシパするなあ、と思いながら待っていたら、40代くらいの男がバスの時刻表を見て、そのままわたしの左側に立った。そしてバスが来たら当然でしょという顔でわたしより先にバスに乗った。
平気でエレベーターを抜かす人もバスを抜かす人もめちゃめちゃイライラするし、わたしが先に並んでたじゃん!!!!ってなるけど、注意したり指摘したりするほうがエネルギー使うし関わりたくないしそれならイライラをグッと堪えたほうが楽。でも、わたしのせっかくの退勤後の金曜日の夜やせっかくの土曜の休日がモヤモヤしたきもちに支配されてしまうのを、そういう人たちは知らない。気づきもしない。
誰もわたしの機嫌なんか取ってくれないのできもちの上がることしかしたくないのにうまくいかない。うまくいかないね。よしよし。今日はいいよ、なんでも食べていいよ、と思ってシュークリームを食べてくるみのクッキーを食べてキットカットを食べた。食べた後に、あーあ、こんなに食べたら太っちゃうね、ってまたきもちが下がる。
甘えびのお寿司はすきだけど、家で食べるお刺身のえびは嫌い。皮を剥くのがめんどうだし、爪が赤くなるし、指もなんとなくかゆくなるし、なんとか一生懸命皮を剥いてやっと食べても、得られる幸福=おいしさが全然足りない。想像より全然おいしくない。箸が進むわけもなく、大皿に残った数尾のえびが翌日には仕方ないねって感じでお吸い物にされるのも嫌い。まずお吸い物にされたら余計皮を剥くのがめんどうだし指がビシャビシャになるしテンション下がる。めちゃめちゃ下がる。あとお吸い物ってそもそもおいしくない。おいしくないわけじゃないけど、お吸い物食べたい(お吸い物だから「飲みたい」?)って思ったこと人生で一度もない。
そうして今夜は昨日の残りのえびのお刺身がお吸い物にされたものを飲んだ。飲んでるうちにどんどんどんどん暗いきもちになって、あー、もうダメになりそう、これはダメそう、と思って、勇気を出して、お吸い物を作ってくれた父に「わたし、もう家ではえび食べないね」と言った。父は「わかった」と言って、わたしがお吸い物のお汁だけ飲み干して、器の中に残していたえびを見て「えび食べるからちょうだい」と言い、わたしのえびも食べた。
その様子を見ていたら、「家ではえびを食べない宣言」をしてしまったことにもなんだか申し訳なく思ってしまって、お寿司屋さんに行ったら絶対甘えびを食べるわたしのために、まぐろが食べられないわたしのために、父は良かれと思ってお刺身の日は毎回えびを準備してくれていたのに。でも正直わたしはお刺身なんて大嫌いだし、お刺身なんて食べたいと思ったことないし、あああ、これは地獄。ちょっとした地獄だね。夕ごはんの後片付けは、いつも父が食器を洗う係で、わたしは残り物をタッパにつめたり、テーブルを拭いたり、食器を拭く係で、いつも通り父が食器を洗って、わたしは残り物をタッパにつめたり、テーブルを拭いたり、食器を拭いていたら、急に目頭が熱くなって、あーこれはたまにくる情緒が不安定になるやつだ、お吸い物が入っていた白い器を拭いていたらポロポロ涙が出てきて、食器を拭く係を放棄して部屋に逃げて小一時間くらいこっそり泣いた。
本当はさっさとシャワーを浴びてイッテQを見たかったけど全然だめで、もう日曜日終わるし、明日からまた仕事だし、どうしようどうしよう。で、とりあえず泣きながらプライムビデオでG線上のあなたと私3話を見て、おいおい理人最高かよ!わたしも理人と磯丸水産で打ち上げしてえよ!理人理人!と思っていたら涙が止まりました。理人ありがとう。中川大志さんありがとう。イケメンは心の薬。
わたしが部屋に篭って理人ODしている間、父は食器拭き係を放棄したわたしに何も言わず食器を洗い終えて、洗った食器を拭いて、ガス台の周りをシュッシュして綺麗に拭いて、サッカーを見ていた。
明日からまた月曜日。10月ももう半分終わった。早く2020年終えたい。でもすぐ終わる。すぐ10月が終わって、すぐ11月がきて、すぐ雪が降って、すぐ12月がきて、また一つ歳をとる。大丈夫。わたしは大丈夫。ちゃんと生きていける。

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