写真企画 さみしくない点

2021/12/15

写真企画 さみしくない点

 

「・・・」

「さみしくない点」は、インターネットの深海に溺れながらひとりで音楽を作るわたしが、あなたに会って写真を撮る企画です。

誰かと知り合ったり、なんらかのつながりができたり、あるいは離れたり、別れたり、人生って、人間関係って、ただの点。点。点。点。「点」の繰り返しだなって思います。このあとはもう二度と会わない/会えないかもしれないし、ひょっとしたらまた会えるかもしれない。わたしとあなたの関係が続いていくとしても、もしくはすれ違っていくとしても、未来におけるどこかの「点」で、このときのことを思い出す瞬間が、振り返る瞬間がいつか来るとしたら、「さみしくない点」として、そこに存在できたらいいな、わたしにとっても、あなたにとっても、「さみしくない点」になっていたらいいな、と思います。あわよくば、良い感情をもたらす「点」になれたら、とてもうれしいことだと思います。



わたしについて

わたしは普段、MKRDTSB(「身から出た錆」と読みます)という名義で、iPadとパソコンで音楽を作っています(平日昼間は労働をしています)(2023年8月加筆:現時点で自称音楽家・写真家文筆家という名の無職ですので、平日・土日ともに予定を合わせることが可能です、が、そろそろ働きたい)。
こちらから、以前書いた自己紹介をお読みいただけます。

害のなさそうな平凡な顔つきと風情をしていると思います。道をよく聞かれます。順番待ちでよく抜かされます。

きっかけ

わたしにとって音楽を作ることは孤独な作業です。

以前はバンドをやっていて、週に1回くらいはギターを背負ってエフェクターボードを抱えて電車に揺られ、メンバーと新宿のリハスタに入り、ああでもない、こうでもないと曲を作っていたので、大勢といるときに感じるタイプの孤独感はあれど、おおむねあまり孤独ではありませんでした。でも、いつしかバンドは止まり、ひとりで家で曲を作るようになり、ひとりで歌詞を書き、ひとりで歌を歌っています。今は最初から最後まで孤独です。そして、MKRDTSBの曲をきいてくださる方は今のところほんとうに少ないので、リリースをしても手応えを感じたことがほぼありません(いつもきいてくださっている方ほんとうにありがとうございます)。基本的には延々と壁打ちをしている気分です。壁打ちでしょう。壁打ち最高。

わたしはもともと集団行動やチームプレイが苦手で、大勢のひとといっぺんに関わることがあまり得意ではありません。結局一人遊びがいちばんたのしい大人になっちゃったね、と、日々を過ごしていました。



同世代の友人が結婚をしたり、子どもを育てたり、家を建てたり、お仕事を一生懸命したり、趣味に没頭したりしている中、コロナが始まり、わたしはといえば、フィルムカメラを買いました。フィルムカメラもひとりでたのしめるのであっという間にすきになりました。撮った直後はどう写っているのかわからないドキドキや、フィルムを撮り切って現像されるのを待つ時間のわくわくや、出来上がった写真を見て、撮ったときの感情や状況を思い出したり、あるいは思い出せなかったり、なんでもなかったはずのありふれた景色が、確かに纏っている不思議なうつくしさにすぐに魅了され、虜になっていきました。

きっとコロナなんてすぐに収束する。そうしたらあちこち撮りに行きたいな、うんと遠くに行きたいな、すきなひとを撮りたいな、と思っていました。

正常化バイアスがかかりまくったわたしの楽観的な予想とは裏腹に、状況はどんどん酷くなり、1回目の緊急事態宣言が出され、当時働いていた会社はあっという間に在宅勤務へ切り替わり、たのしく通っていたホットヨガも休会し、マスクが買えなくなり、トイレットペーパーが品薄になり、わたしはメルカリで買った期限切れの写ルンですを持って、道端に咲く花や、誰かが落としたマスクや、電柱や、建物や、そんなものを撮りながら、ひたすらに、家の近くをぐるぐるぐるぐると歩いていました。「不要不急」の意味をずっと考えていました。



「ひとに会うことを控えなければいけない」という世界になって、そんなの全然平気だったはずなのに、いつまでも一人遊びがすきなはずだったのに、長引くコロナ禍の中で、「ひとに会いたい」というきもちがむくむくと大きくなっていきました。

ああ、ひとに会いたい。ひとと会って、おもしろいことがしたい、たのしいことがしたい。

纏わりつくような閉塞感や絶望感にすっぽりと覆われて、毎日ただ悶々としていました。

でも、じゃあ、わたしにとっての「おもしろいこと」って、「たのしいこと」ってなんだろう。SNSのプロフィールに「ご依頼はDMで」「お仕事ください」とすら書けないわたしは、いったいなにをやりたいんだろう。どんなことならできるだろう。

考えた結果、「コロナが落ち着いたら、写真の企画をやろう」と思いました。

奥に見える赤いアウターを着てフードを被っているのは父


音楽はすきだけど、まだよく知れていない関係のひとといきなり音楽を一緒に作るのはわたしにとってとてもむずかしい。


でも、少しだけ時間を共有して写真を撮らせてもらうことならできるかもしれない。会いたいひとに会いに行って、写真を撮ることならできるかもしれない。写真なら、音楽をやっているひとでも、音楽をやっていないひとでも、ただそこにいてくれれば撮ることができる。企画と言っても気軽な感じのやつで、今はまだ「うんと遠く」にはいけないから、近くからちょっと遠いくらいの場所で、肩肘張らずに。緊張するし、おなかも痛くなるから、できるだけ気軽に、スナップとポートレートの間くらいのスナップ寄りのやつが良い。キメキメの写真も良いけど、家族が、友だちが、撮ったような生活感のある写真がすきだから、匂いのするような写真がすきだから、そういう写真を撮る企画をやろう。

そうやって知り合えたそのひとと、その先も良い関係が続いていったとしたら、例えばそのひとが音楽を作るひとなら、一緒に曲を作ったり、そのひとが役者さんなら、一緒にMVを作ったり、他に良い例えが思いつかないけれど、そういうふうにものを作るひとと、一緒にものを作る関係が続いていったら、すばらしいことなのではないだろうか。そう思いました。

わたしは割と早い段階でワクチンを2回接種していただくことができ、現時点では緊急事態宣言も解除され、感染者数も落ち着いてきているので、なんとなく先延ばしにしてきたけれど、よーし、そろそろやってみるか、と、重い腰を上げてこのステートメント(と言っていいのだろうか)を書いています。

この企画をわたしのライフワークのひとつにできたらいいな、長くゆっくり続けられたらいいな、この企画をきっかけに、「なんらかのなにか」に繋げられたらいいな、と思っています。

右:父、左:母の後ろ姿。なかなか「写真撮ろう!」と言えない

撮影について

・対象となる方:なんらかのものづくり・活動・表現をしている方(一例:ミュージシャン・バンドマン・役者・芸人・詩人・小説家・脚本家・絵描き・カメラマン・映画監督などなど)を想定しています。
・撮影場所:相談して決めます。わたしが現在都内在住のため、当面は都内近郊で撮影します(いつか遠くにも行きたいです)。ただ、わたしの力量だと屋内で安定的に撮影できる自信がないので、屋外での撮影を主とします。
・使うカメラ:コンパクトフィルムカメラ(オートボーイを愛用しています)・使い切りカメラ(写ルンです・Kodak FunSaver等)。今後新しいカメラを導入する可能性あり、検討中です。→2023年8月加筆:OLYMPUS OM-1という古い一眼レフをメインで使います。
・お金まわり:相互無償でお願いいたします(※当面)。フィルム代・現像代はこちらで負担します。撮影のためにかかったご自身の交通費・飲食代等は負担していただきます。
・撮影したデータは全て共有いたします。
※引き続き、まだコロナに支配されている世界ですので、情勢を見つつやっていきたいと思います。

流れ(2023年8月大幅に加筆!)

①メールもしくはインスタグラムのDMにてご連絡ください。※旧Twitter・現Xでは、DMのやりとりはできない設定にしています(しているはず)
- - - 当日- - -
②打ち合わせ:1時間〜2時間程度(喫茶店等でご自身やご自身の作品・活動についてざっくばらんにお話を伺います)
③撮影:長くても2〜3時間程度
- - -解散- - -
④現像と文章を書く時間をいただいたのち、本ブログ・インスタグラムにて公開(事前に内容を確認していただきます)。アカウントをお持ちの方はタグ付け等させていただきます。

おことわり

わたしは写真を撮るのがすきですが、上手に撮れません。フィルムカメラを使うので、その場ではどんな写真が撮れているのかもわかりません。かわいくもかっこよくも狙って撮れません。ごめんなさい。「生活感のある写真」「匂いのするような写真」というコンセプトにご理解・ご了承いただいた上で、ぜひご連絡いただければと思います。まずはどんなものか話だけでも、質問だけでも、というご連絡も歓迎です。一緒にたのしいことがやれたら、「さみしくない時間」を共有できたら、とてもうれしく思います。ご連絡お待ちしています。

連絡先

わたし:MKRDTSB(※身から出た錆と読む)ことヨシオカミノリ

(※呼んでいただく際は、「錆(サビ)」「ミカサビ」「ミノリ」、呼びやすいように呼んでいただいて問題ないです。敬称をつけていただく際は、「さん」「くん」「ちゃん」なんでもOKです)

メール:mkrdtsb■gmail.com(■→@)

インスタグラム:@mkrdtsb_


「・・・」の、後は 

もし、「さみしくない点」以降もあなたとわたしの間で良い関係が続けられたとしたら。

もし、あなたが、
もし、あなたが、ミュージシャンだとしたら。
もし、あなたが、役者だとしたら。
もし、あなたが、カメラマンだとしたら。
もし、あなたが、芸人だとしたら。
もし、あなたが、詩人だとしたら。
もし、あなたが、ダンサーだとしたら。
もし、あなたが、服を作るひとだとしたら。
もし、あなたが、絵を描くひとだとしたら。
もし、あなたが、

また会うかもしれない未来でも、もう二度と会わないかもしれない未来でも。

札幌から東京へまた戻るとき、妹(脚本家・映像制作・コラージュなどをしているギャル)が遊びにきて、わたしたちが生まれ、育った菊水〜豊平川あたりを散歩した。でかい鴨がいた。妹は服を持ってなくて、母の白いアウターを借りて着ていた。

加筆修正記録

2023/8/29
2024/01/14(noteからのお引越しに際して、一部文章・掲載写真など修正)

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