今日からは そうじ 洗濯 目一杯

2022/10/23

日記

某日。
手持ちのエチゾラムが切れて、味が似ているという理由でラムネを齧っていたけれど、起き上がれなくなった。眠剤は残っていたけれど飲んでも2時間か3時間で目が覚めて、でも起き上がれなくて、2時間か3時間ぼんやりして、また2時間か3時間ウトウトして、という状態だった。トイレと煙草のときだけベッドから転がり落ちて四足歩行で這うようにいく。なんでなのかわからなくて浅くググった結果、離脱症状っぽかった。そして「ふるえ」のことを「振戦(シン・セン)」ということも知った。

某日。
夜中に口座に入金があったメールが届いて、アプリで残高を見てみたら、クビになったカイシャの保健組合から謎の「42円」の振込があった。え、これが傷病手当金ですか。だとしたら死ぬんですけど。42円て。なんにも払えないよ。電話がこわいので確認できない。コロナにかかったときには何円振り込んであげましたからねのお手紙が届いたので、お手紙が届くのを待つことにする。それまで死なないでいられるかな。死なないでいてしまうんだろうな。心療内科。ハローワーク。行政。福祉。住民税。国保。年金。ため息。ため息。ため息。絶望。3日弱そんな状態で過ごして、やっと通院日になって、ボロボロ泣きながら、ガタガタふるえながら、病院に行って、お薬を増やしてもらったり、変えてもらったりして、薬局でお薬を手に入れた瞬間、エチゾラムを噛んだら30分くらいで「祝福せよ~!」のモードに入った。じぶんがこわい。もうエチゾラムなしでは生きていけないんじゃないの。

振込42円のスクリーンショット。
撲殺したい

某日。
今までは換気扇の下で煙草を吸っていたのだが、部屋の中が煙草くさくなるのと、退去時の全クロス張り替え等によりかかる清掃料金がこわくて、起き上がれるようになったので、ごめんなさいごめんなさいと思いながら玄関を出たところで吸うようにした。煙草を吸いながら、あれ、地震かな?と思ったらじぶんがふるえているだけだった。あはは。あれ、また地震?来たか首都直下型?と思ったら、またじぶんがふるえているだけだった。あはは。これさっきも思ったじゃん。タイムリープしてるのかよ。さっき思ったことを覚えていてよかった。

某日。
助かりたいって思っていると思っていたけれど、助かりたくないのかな。こんななんにもできないで。お酒飲んで酔っ払って泣いてじぶんがいちばんかわいそういちばんつらいいちばんくるしいみたいな振る舞いをしてたがが外れたようにしゃべりまくってひとに迷惑をかけて嫌な思いをさせて煙草吸って薬飲んでさ。助かる気があるなら、大丈夫になる気があるなら、良くなる気があるなら、もうちょっとなんかしようとするんじゃないのかな。わからない。なにもわからない。じぶんのことがなにもわからない。

某日。
イマジナリーフレンドとの会話を書き留めることで保つ自我などくそくらえ。

某日。
ふだんなに食べてるの?ときかれてなにも思い浮かばなかった。バドワイザー、キンミヤ、トマトジュース、アイス、ヨーグルト、チョコ、8枚切りの食パンを焼いたやつ、とろけるチーズがあればとろけるチーズを乗せて焼く。など。労働をしていたころお昼用と思って箱買いして賞味期限が半年前に切れていたお味噌汁たちはこの前やっと飲み切った。煙草を吸うようになる前は紅茶を飲んでいたけれど煙草を吸うようになってからはカフェオレを飲むようになったし、この前離脱症状っぽいのが収まったときにマックまで三角チョコパイ食べに行ったな。三角チョコパイだいすき。でも口元も手もデロデロになるのを毎年忘れて毎年思い出す。

某日。
良くなる、悪くなる、良くなる、もっと悪くなる、もっともっと悪くなる、少しだけ良くなる、を繰り返しているうちに「良くなる」の位置がかつての「悪くなる」と同じ位置だと気づく。人生が、思考が、下降線を辿る。寝ている間にこぼしまくっていたよだれでビシャビシャになった毛布を洗濯するだけで疲れ果てる。明日9時とか10時とかにハローワーク行かなきゃいけないけど起きられるのかな、起きられはするだろうけど起き上がれるのかな

某日。
夏前くらいから今までずーーーーっとぐちゃぐちゃした関係を惰性で続けていて、まわりのひとからも「もう関わるのやめなって」「また怒られに行ってんのバカじゃないの」と口を揃えて言われていても、ずーーーーーっとぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃしていたひととの関係を終わらせた。もうほとほと疲れ果てた。顔を合わせれば10回に9回ブチギレてくるひとだった。わたしのなにが悪いのか、ほかに恋人がいるひとになんでこんなに怒られなければいけないのか、声を荒げられなければいけないのか、まったく理解できないことがそのうち7−8回だった。ただきっとわたしが悪かったのだと思う。わたしの脳みそは溶けているから。そのひとと付き合ったり結婚したりとかそういう一般的な型にハマりにいってどうにかなれる未来など一度もほしくなかった、ほしいと思ったことさえなかった、恋人と別れてほしいと思ったこともなかった。ただ友だちになりたかっただけだった。それだけなのに。さよなら、友だちになれるはずだった世界線。それすらももういらない。

某日。
左手の人差し指のやけどがなおったぜ!ギターさわるぜ!身のまわりに存在してくださっているギターのひとになんのギターを使われているかきいてまわっているぜ!ひとによっては「XX年代の〜」等、細かく教えてくださるひともいて大感謝だけれどわたしはそんなこと1ミリもわからないぜ!でもとにかくわたしもギターをさわるぜ!
と思ってギターをさわってみたものの、前述の振戦(シン・セン)問題にぶち当たり少しも思う通りに指が動かせなかった。かなしい。

某日。
かつてバンドをやっていたころ、週1回のスタジオ練習のあとに新宿の安い居酒屋で反省会やミーティングと称した飲み会をやっていた。わたしはほぼすべての曲を書いていたので、歌詞のネタになるような話があればノートにメモをしていて、久しぶりに当時のノートをペラペラめくる。人なんていくらでもおもしろくなれるらしい。

殴り書きされたノートの写真。
メンバーの男の子ふたりがマッチングアプリと風俗のプロだった
わたしはローションセックスなるものをしたことがない 最高最高最高らしい

某日。
明け方、煙が空気の間を漂ってゆくのをぼんやり眺めている時間をあいしている

明け方の暗い部屋の窓辺のフィルム写真。