雑多な

2024/02/05

日記

 ・モヤモヤしていること

長らく音楽畑に身を置いている。わたしは売れていない数多いるミュージシャンのひとりで、なんの柵もスポンサーもない。群れるのが苦手なので、ひとりで曲を作り、インターネットの深海に放り投げている。


ツイッターやインスタグラムでは繰り返し書いているけれど、同じく、なんの柵もスポンサーもいないであろう近しいミュージシャン(バンドマンやDJ、ビートメイカー、シンガーソングライター、ラッパーなど)は、だれひとりとして「虐殺やめろ」と発信しない。している姿をみたことがない。なんで?SNSだけがすべてじゃないのはわかっている。お前がどこかでなにかのアクションを起こしていてほしい。でもきっと起こしていないのだろう。そう思ってしまう。あまりにもつらくなって何人かのフォローを外した。お前の作る音楽なんてゴミだよ。音楽を通して平和を歌うとか、停戦を願うとか、意味ないよ。音楽をきける状況にいないひとからしたら、なんの意味も価値もない。わたしはお前を批判する。平気でみてみぬふりをするお前を批判する。少なくともわたしにはお前の音楽は必要ない。わたしは虐殺に反対する。民族浄化に反対する。占領に反対する。声を上げる。わたしの音楽は、写真は、言葉は、なんのためにあるのか?なんのために作っているのか?なんのために歌えるのか?なんのために歌うのか?

試行錯誤をつづけながら、わたしは作りつづける。作りつづけなければ心がポキポキ折れてゆく。同じ思いを抱えているだれかに届いてほしい。わたしはここにいる。わたしは沈黙しない。


・音楽制作は建築と似ている

建築には疎いけれど、わたしの制作は建築と似ている。気がする。曲と歌詞を同時に組み立てる。基礎工事のようなものかもしれない。そこから、自分が聞きたい、きもちのよい、耳障りの良い音を入れる。デコレーションする。ときにデコレーションをするのはやめる。


・はじめてのライブの記憶、消したい

はじめて小さなスペースでライブをしたとき、それは全く納得のいく形でのライブではなかった。オーナーとの打ち合わせはほぼさせてもらえず、必要な機材があれば教えてほしいと伝えたにも関わらず明確な回答は得られなかった。ライブの前日になってようやくリハを行い、「このケーブルやジャックがあればできるんですけどね」というようなことをオーナーから言われた。おい、遅えだろ。どう考えても遅えだろ。前日に準備できるわけねえだろ。わたしは、1ヶ月ほど前からオーナーとの打ち合わせや対話を望んだ。彼は本業の片手間にわたしの質問に投げやりに答えた。1週間前から必要な機材について聞いた。ほぼなにも教えてはくれなかったと言っても過言ではない。ライブ当日、オーナーとのセッションという趣旨で、わたしの大事な曲たちに、意味不明でなんのリスペクトもポリシーも感じられないギターのリフを重ねられた。わたしはオーナーにCDを渡していた。無料で渡した。オーナーはわたしの曲名すら覚えていなかったし、曲すら聞いていなかった。憤りを感じた。わたしの曲に対する、冒涜だと思った。搾取されていると感じた。オーナーのスペースであることには違いない。けれど、アーティストを呼んで企画をするのであれば、最大限アーティストをリスペクトするべきだし、リスペクトするアーティストを呼ぶべきだ。単なるコンテンツとして消費されるのはまっぴらごめんだ。


・その後①

オーナーが本業等で多忙なときに、お店番を任されることがあった。お金の話は一切なかった。近所のクラフトビールのお店でビールをごちそうになって終わった。わたしは時間に融通が効くので体よく使われたと思っている。


・その後②

地域のイベントに上記のオーナーのスペースが出展するにあたり、別のイベントとダブルブッキングをしていたらしく(推測です)、その2-3日前に「グッズや音楽を売ってくれませんか?」と連絡が来た。あたまに来た。わたしはグッズ屋さんではない。音楽家で、写真家で、文筆家だ。なにか作品にまつわる展示やイベントに付随してグッズを売らせてもらうという条件ならまだ飲み込める。地域のイベントで「物販だけやれ」というのは、わたしのアーティストの矜持に反するし、搾取以外のなにものでもないと思った。過去お世話になったこともあり、打ち合わせや対話を望んだが、やはりこちらが納得できる回答や説明はなかった。準備期間が短すぎる。そもそもダブルブッキングしたことには随分前からお気づきだったんじゃないですか?

わたしは怒り心頭でお断りをした。


・その後③

状況は前後するが、オーナーのスペースで「涙の国」という曲のカセットテープを置きますよ、と打診された。乗り気ではなかった。インテリア化されることが容易に想像がついたからだ。ひとつひとつ手作りしているので、一本作るのにも相当な時間がかかる。にも関わらず、オーナーは「三本納品してください、売り上げは完全バックするので」と一方的に告げた。わたしは急ピッチで三本制作し、納品した。その後二本売れたらしいが(買ってくれた方から直接DMをいただいた)、オーナーからは売上金をどうするかの連絡は待てど暮らせど一切来なかった。堪忍袋の尾が切れてインスタグラムで告発みたいなことをした。慌てた様子でオーナーからDMが来た。「売上金は全額UNRWAへ寄付すること、在庫のカセットテープは着払いで構わないので返送すること」をお願いした。数日後、普通郵便で、カセットテープと売上金が同封されていた。うんざりした。UNRWAへ寄付をしてくださいという文章を無視されたことと、現金は現金書留で送る必要があることを知らないことに対して、心底うんざりした。郵便事故が起きていたらどうしてくれよう。彼の周りに群がるひとたちにも嫌気が差した。わたしはこのスペース周辺にいるひと、オーナーを含めて、あらゆるアーティストと関わることをやめた。やめようと思っている。


・行きつけの飲み屋

最悪な飲み屋だった。わたしが「FREE PALESTINE」のパッチ付きのマスクをつけ、ガザ虐殺やめろのプラカードを手にしていたら、「それ全部閉まってそういう話しないんなら座っていいよ」と言われた。いくつかやりとりは交わしたが、店主の主張としては「"そういう話"をされても困る」の一点張りで、対話に応じようとしない姿勢に憤りを感じ「一生来ません」とブチギレて店を出た。数日後、会社のホームページを見て、大層ご立派で薄っぺらい企業理念みたいなものが書かれていた。お前たちのいう「いのち」に「パレスチナのひとびとは含まれない」、「差別主義者のお店で飲食をすることは、間接的に差別に加担することになる」「わたしは一生お店に行きません」というような抗議の手紙を、いちばん偉そうっぽいひとに書いて出した。これでおしまい。


・金沢→白川郷→富山の旅

時間に追われるのがしんどかった。でもイケてる喫茶店がたくさんあってうれしかった。思い出や記憶はたくさんある。やさしくしてくれたひともたくさんいる。写真を現像したらまた旅の記録を残したい。最後の最後に入ったお店で、常連客らしきおじさまに「なんだ、ボランティアに来たんじゃないんだ」と言われたことをトリガーに、わたしの存在は無意味なのだと感じた。感じている。ボランティアに行ける精神と身体ならよかった。ボランティアに行きたいと思っている。でも行けないから、わたしができそうな範囲であちこち歩いてみて回った。「ただの観光じゃん」と揶揄された。不愉快だった。ただの観光のなにが悪いのか?帰りの夜行バスまでまだ時間があったが、ひとりになりたくて早めにお店を後にした。バスに乗って、途中のサービスエリアで嘔吐した。意味のないことをしたのかもしれない。意味のないことを。たった一言でこんなふうに台無しにしかけてしまう自分のことが、わたしは嫌いだ


・2024/2/18(日) at 高田馬場JETROBOT

パレスチナ連帯のためのライブをする。企画はわたしMKRDTSB、そのほかの細々な連絡ややりとりは共演してくださる方が動いてくれています。見ず知らずのわたしを助けてくれています。ほんとうに感謝のきもちです。詳しくは「抵抗と灯火」のツイッター・インスタグラム(@TTT_RAL_info)でアナウンスしているので、来られそうな方は来ていただけたらうれしいです。拡散もしていただけたらうれしいです。そしてなにより、知人と思っていたひとからだれひとりとして予約の連絡が来ないことにウケています。きっと来ないんだろうな、そう思わせないでほしいな。これからきっと来るといいな。来られなくても「虐殺やめろ」って言ってくれたらいいのにな。


出演者の方(ネコダ珈琲さん・山口勲さん・原口昇平さん)は、みなさんプロパレスタインの方です。各々のフィールドで、パレスタインに連帯を示す行動をされている方です。


今までパレスチナのことをよく知らなかったひとも、今日から声を上げて連帯しませんか?虐殺に反対する?それともみてみぬふりする?


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