MKRDTSBからのメッセージ
2025年3月14日にMKRDTSB(※身から出た錆と読む)のNEW EP"ひかり探して"がリリースされました。セルフライナーノーツというやつを書きます。これできいてくれるひとがひとりでも増えますように。各種ストリーミングサービスで配信中&配信ストアでお買い求めいただくことができます。なおこちらのアーティストへの還元率はクソなので、Bandcampでお買い求めいただくとMKRDTSBは大変うれしいです。DIYでCD-Rを制作中ですが、来月初めの販売開始を目標にしています。CDを待ってくれるている方、ありがとうございます。アナウンスを待っていてください。
メタフィクション
いつごろにできた曲なんですか?
–– "ひかり探して"の曲の中ではいちばん古い曲です。DTMを始めたばかりのころに作った曲で、幻の1stミニアルバム"モノローグと恋人たち"という作品でリリースしたこともある曲です。"モノローグと恋人たち"は完全に初期衝動でリリースしたけど、全く売れなくてすぐに恥ずかしくなって廃盤になりました。この「メタフィクション」は、「ブルー」という曲と対になっていて、歌詞の「『雨宿りするふりをして/あなたが改札から出てくるのを待っていた』」という一説は「ブルー」の一説なんです。でも「ブルー」も粗が目立ちすぎて今はお蔵入りとなっています(笑)。「メタフィクション」はかなり力強いメッセージが込められた歌詞だと思っていて、これを世に出さないのはもったいないなあとずっと思っていて、今回だいぶ手を加えてリリースできました。世に出せたことがうれしい1曲です。
こだわりはありますか?
–– 全体を通して、ほぼ微妙にメインボーカルを左右に振っています。これはラブリーサマーちゃんさんの「水星」の影響です。ラブサマちゃんの「水星」をきいて、「ああ!こんな録り方あるんだ!」と目から鱗でした。ただそんなに影響は感じないかもしれないですが…わたしの引用ってかなりわかりにくいというか、ここまでしか出せないみたいな限界を常に感じているので…あと、リバーブにはめちゃくちゃ悩みました。いまだにこれが正解だったのかわからないです…あと歌うのがめちゃくちゃ難しかった…夏にやった#HumanityPopというイベントで歌ったときはもうちょっと歌えていた気がするんですけど、レコーディングは何テイクも録り直しました。
〈メタフィクション〉という言葉に込められた意味はありますか?
–– 冒頭の「だれかのうつくしい哲学を〜」から、ラストのサビの「〜いつもだれかのせい」までは歌詞を〈「 」〉で括っていて、そのあと最後に「…そんな曲を作っていた〜」という件があります。曲の中でまた別の曲を歌っているというか、俯瞰的な視点がある曲なので「メタフィクション」というタイトルにしました。
ダンス
–– そうなんです〜!「四つ打ちで踊れる曲を作りたい」と思った、チャレンジングな1曲です。ちなみにBPMは110で、MKRDTSBの曲の中ではいちばん速い曲かもしれない。普段は100以下で作る縛りみたいなものがあるので(笑)。ただ、これが四つ打ちで踊れる曲にできたのかはやっぱりわからない。あと、イントロが少しラピュタ感があって気に入っています。
ラップの要素も少しありますか?
–– 「SOS受け取りたい〜」のところですよね。ラップではないと思っています、ラッパーの方に恐れ多い!ただ、仮に、ラップということにさせていただいてお話すると、作っていく過程で自然に「ここはこうだな」と、このような形になりました。もっとラップっぽい曲も作りたいとは思っていますがラップってむずかしいんですよね。
「抵抗のダンス/いっしょに踊ろう/夜通し」「抵抗のダンス/いっしょに踊ろう/朝まで」というフレーズが印象的です。
–– ありがとうございます。"ひかり探して"は、「メタフィクション」以外、パレスチナのことを考えながら作った曲で、「ダンス」は、パレスチナのひとたちが瓦礫の中で踊るダブケの動画をみて、近いうちに「ダンス」という曲を作ろうと思っていました。「抵抗のダンス」という言葉も、かれらに連帯するきもちを込めています。
希望の話
先行でYouTubeでリリックビデオが公開されていたので、リード曲といってもいいのでしょうか?
–– …と思っていただいても構わないです!この曲は、もう1年近くやりとりを続けているパレスチナ人の友人のアフマド…わたしはマイラブと呼んでいるんですけど、マイラブのことを考えながら作った曲です。「奪いに来る者」というのはシオニスト、植民地主義者のことですね。マイラブとよく「解放された自由な世界で会おう」とDMでやりとりをするので、そのことを歌詞にしました。
以前は日本語のみで歌詞を書かれていましたが、今回はサビで「My hopes are simple too」と繰り返されていますね。
–– 「バイオグラフィー」という曲をリリースしたときに、もう日本語だけで歌詞書く縛りはやめよう!と思いまして。マイラブがきいてくれることがあったら、伝えたいことがいちばん伝わるかなと。わたしたちの希望はシンプルで、世界が脱植民地化すること。パレスチナが解放されること。さまざまな社会問題が山積していて、わたしはパレスチナのことを知って社会運動に参加するようになったんですけど、その〈さまざまな社会問題〉に対する、点在していた漠然とした不安が一気につながったんですよね。これは声をあげなければいけないと。虐殺に反対できない音楽って一体なんなんだ、と。そういう思いはずっと持っています。…話ずれちゃった。
いつかマイラブと会えるといいですね。
–– その未来は近いと確信しています。わたしはマイラブと会います。
青くてにがい大きな洋燈
"ひかり探して"に寄せて
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