写真企画 さみしくない点
「さみしくない点」は、インターネットの深海に溺れながらひとりで音楽を作るわたしが、あなたに会って写真を撮る企画です。
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全世界の古谷さんファンへ
今回お会いしたのはGum GirlとCokeColor,DearSummer(以下CCDS)でギターボーカルを務める古谷(ふるや)さん。正直に書きます。わたしは本当にただのファンで、酒に酔っていた勢いでDMをしたら、とんとん拍子にお話が進んで、自分でもびっくりしています。酔っていた勢いでDMを送るひとってどうなんでしょうね。割と最低な部類の人間に入る風潮な気がしていますがどうでしょうか。
The Otalsという最高のバンドを通して、周辺の最高のバンドを掘っていくうちにGum GirlとCCDSを知ったのだけれど、ボーカル(※Gum Girlは男女ツインボーカルのバンドで、現編成でのもうひと方の女性ボーカルは麻緒さん)の古谷さんの顔と発音と声がとてもすきで、ずっと曲をきいていた。そして、いつかこの「さみしくない点」で、撮影させていただきたいなと思っていた方のうちのひとりが古谷さん。バンドを含め音楽をやられている方の場合は、音源や、MVや、演奏中の動画・写真はたくさんネットに上げられる。そのおかげでGum GirlとCCDSを知れたのもあるし、もちろんそれも「本当にありがとうございます!」と思いながら甘んじて供給を受けさせていただくけれど、わたしは「演奏していない姿を撮影させていただけたらいいな」と思っていた。演奏しているところを撮影するのが上手なひとはわたし以外にもたくさんいる。わたしは、「ただそこにいる古谷さん」を撮れないだろうか。
そんな気持ち悪いファンの思考を巡らしている期間中に、どこかの地点で、古谷さんがなぜかわたしのインスタグラムをフォローしてくれて、「ウオオオこちとらファンじゃあああ!!」と思いながら即フォローバックした。そして、たまに流れてくる古谷さんのストーリーで「お笑いめっちゃ詳しいなあ」とか「ひょっとしてすきな映画とかすきなドラマとか被ってるなあ」とか思って、それでも♡をタップしていいねすることしかできずにいて、「撮らせていただきたい」というDMを送れずモジモジしていた。
そして、前述の通り、情けないよわよわのわたしは酒の力を借りてDMを送った。そうしたら、ものすごく丁寧なお返事をいただけて、さみしくない点の一環として撮らせていただける運びと相成りました。なんでもやってみるものだね。よくネットニュースやなにかで、芸人の方がインスタグラムのDM経由でお付き合いをされたとか、結婚されたとか、そういうニュースを目にしていて、「ええ?そんなことある?」と思っていたけれど、「ああ、あれってこういうことなんだ…!」と思った。(※全世界の古谷さんファンへ。わたしはただ写真の企画に協力していただいただけです)
2022年6月某日 都内某所にて打ち合わせ
打ち合わせはわたしがお願いして直接対面でやっていただくことにした。リモートでの話し合いが苦手なのと、DMでのやりとりのみだと当日めちゃめちゃ緊張してしまうことがわかっていたので、もし差し支えなければ、お茶か飲酒でもしながら直接一度お会いしてお話したいと提案したら快諾してくださった。大感謝。わたしがDM上で「普段お茶割りを400杯飲んでいる人間です」と自己紹介をしたら、「普段ビールを500杯飲んでいる人間でよければぜひ」と言ってくださって、ああ、なんてやさしいひとなんだろう、とちょっとだけ泣いた。
打ち合わせ当日、打ち合わせの段階ですらわたしは緊張しまくっていた。こちとらただのファンである。しかも、ライブに行けたことのない(ライブハウスがこわい)、根っからの在宅ファンである。YouTubeとApple MusicとサウンドクラウドとTwitterとインスタグラムを漁っているだけの細客中の細客である。わたしの特徴と服装と恒例の「IKEAのトートバッグを持っています」というDMを送って、駅の改札付近で古谷さんを待つ。どのひとだろう、あのひとかしら、違うか、あっちのひとかしら、違ったか、などと思っていたら「お待たせしました!」とすっと目の前にひとが現れた。古谷さんだった。「IKEAのトートバッグですぐわかりました」と言ってくださって、わたしは「IKEAにお金を払わなくちゃですね(※古谷さんとの打ち合わせ後、1人で2軒目3軒目4軒目(くらいかな…?)とはしご酒をしIKEAのトートバッグとクリーニングしたての白ジャックパーセル(ジャックパーセルについては後述します)はドロドロのぐちゃぐちゃになった、また買いに行かなくちゃ)」とヘラヘラと言った。わたしがお呼びたてした打ち合わせにもかかわらず、お店の選択肢として持ち合わせているのがカウンターの席しかないようなお店か鳥貴族の2択しかなかったので、古谷さんに「この辺りってよく来られます?」と聞いた。
「来ます来ます、それこそGum Girlのスタジオ練習をこの辺でやっていて」
「そうなんですね…!じゃあお店のアテとかって…」
「ああ、全然ありますよ!四文屋とかどうですか?」
四文屋!夢の四文屋である。いつも酔っ払って歩いていると四文屋があって、入ってみたいけどいつも混んでいて、未開の地。わたしは「四文屋、行きましょう!」と即答した。古谷さんに先導していただいて、四文屋へ向かう。道すがら、わたしが何度か行ったことのある台湾料理のお店があって「ここ行かれたことあります?」と聞いたら「あります」と返ってきたので、ヨッシャ!このお店の話でひと盛り上がりいけるぜ!と思って「おいしいですよね!」と返したら「僕ベロベロに酔っていて覚えてなくて、しかも財布失くしたんですよ」と返ってきた。もうお手上げの情けないわたしである。「あー、そうなんですねー」としか返せなかったわたしよ。そのお財布は無事戻ってきたのか、撮影当日に聞こうと思っていたのをすっかり忘れていた。
古谷さんアテンドのもと、四文屋に辿り着き、案の定、激混みだったけれどすぐ案内してもらえた。そして、激混みの店内で古谷さんに「すみませーん!」と忙しなく動き回る店員さんを呼んでもらい、お酒を頼んだ。この有様よ。いつもそう。いつもいつもひとに地図を読んでもらったり、お店を探してもらったり、店員さんを呼んでもらったりしている。わたしという人間は情けない人間だな、申し訳ないな、せめて店員さんくらいは呼べるように、激混みの四文屋で、素面でも通るくらい大きい声を出せるようになろう、と反省していたら、お酒はすぐに届いて乾杯した(乾杯ってだいすき)。
音楽に携わる者として、音楽の話からしたら格好がついたのだが、わたしはジャスミンハイを一口飲んでテーブルに置くと「ひとりでお酒って飲まれます?」と聞いた。わたしにはこういうところがある。
「ひとり酒しないですね」
「しないんですか!」
「ひとりで飲むことは滅多になくて。家でも飲まないし、外に飲みに行ったとしても一杯で帰ります」
ワオ!もう、ワオ!である。ワオ!しか出てこない。わたしは、生まれて初めて「一杯で帰れる」ひとにお会いした。わたしは一杯で帰れた試しなど一度もない。
「ひとりで飲むとダウナーな感じになっちゃうんですよね、だからほぼ飲まないです」
「ああ、でもそれはありますね…ひとと飲んでいても、別に芸人でもなんでもないのに、『あのエピソードのときのあの返しはこうしたらよかったな』とか振り返っちゃいます」
「ひとり反省会はしちゃいますよね」
わかる~!ひとり反省会しちゃう~!仲間じゃ~ん!我等永久不滅友情也~!と思いながら、気持ち悪い古谷ギャルの部分をジャスミンハイと一緒に飲み込み、「ちなみに、ひととの飲み会とかで酔っ払うと古谷さんはどうなられますか?」と聞いたら「ゲラです」「酔うと笑います」と即答された。ちなみに、いま、これを書いているのは撮影やその後の必要なやりとりを一旦終えてから数日後なのだが、あの打ち合わせの日、古谷さんは笑ってくれていたか不安な気持ちになっている。
そして音楽の話をするのかと思いきや、映画やドラマの話、特に坂元裕二さんの作品の話で盛り上がった。古谷さんが「カルテット、最高ですよね」と一言発した瞬間、耐えきれず両手をブンと古谷さんに差し出して握手を強要してしまった。わたしもカルテットだいすき!
「僕、当時吉岡里帆さんがすきで、あのアリスちゃんは最高ですよね」
「『人生ちょろかった~!』最高ですよね!世のみなさまはどんぎつねどんぎつね言ってますけど」
「アリスちゃんです」
『花束みたいな恋をした』の話もしてひとしきり盛り上がった。ということは、わたしたちは歳が近いのか?と思い、”年齢”というただの記号で判断をしないために、最近は人様に対して年齢は聞かないようにしているのだが、つい「古谷さんておいくつなんですか?」と聞いてしまった。わたしの一つ下で、10月24日の蠍座。花束みたいな恋をしたドンピシャ世代だった。クロノスタシスを恋人と歌いたい世代。そして、「10月24日って蠍座スタートの日で」と古谷さんが言葉を繋いで、「え、そんな星座の話で広げちゃうの?不思議すぎるのですが???」と思った。
「小学校のとき嫌いな友だちがいて」
「はい」
「そいつの誕生日が10月23日だったんです。『うわあ1日違いかよ』って思っていたんですけど、『天秤座だからまあいっか』って思ってました」
わたしは笑いました。ゲラゲラと笑った。記事を公開する前に、載せて問題ない内容かどうか、齟齬が生じていないかどうか、必ず記事のチェックをしていただくのだが、このトピックは絶対に書きたいと思ってその場で確認をして了承を得るくらい笑った。わたしはこれまで星座のことを気にしたことがなかったので新鮮な価値観だった。
しあわせジョンやちいかわ(というか古谷さんはナガノ信者なこと)もお好きで、ちいかわやナガノさんはビッグウェーブが起きているものの、しあわせジョンをわたし以外に知っているひと・すきなひとに現実で初めて出会って、抱き合いたいきもちをぐっと抑えて「めっちゃいいですよね…!!!!」と言った(そのあと、今後の連絡のためにラインを交換していただいて、古谷さんからしあわせジョンのスタンプが押されてきたときに「本物だ…!!!!」と興奮した)。モルックも持っていて、モルックの会を主催されたりしているらしい。モルック、めちゃめちゃ興味あるけれど、大勢が集まる場所って苦手だからなあ、と得意の人見知りを発揮して「次回やられるときは誘ってください」とは言えなかった。けれど、モルックの会の写真はぜひ撮ってみたいなあと思ったので、次回やられるときは記録係としてお声がけいただけたらうれしいです。
打ち合わせの日、わたしは前述の通り、白のジャックパーセルを履いていったのだが、打ち合わせが終わるころにはそこそこ酔っ払っていて(そもそも打ち合わせで酔っちゃダメでしょ)、駅前で解散する際に「ほらほら!絹ちゃんと麦くん(※『花束みたいな恋をした』の登場人物)とお揃いの白のジャックパーセルを履いたわたしを撮らなくていいんですか?!」などとめんどくさい絡み方をして、古谷さんに写真を撮らせたらしい。その後、古谷さんは帰られて、わたしはひとりで何軒もはしご酒をし、明け方に帰るころには白ジャックパーセルとIKEAのトートバッグはドロドロのぐちゃぐちゃになっていた。どこでそういうことになったのかは覚えていない。その数時間後、古谷さんから「昨日のジャックパーセルです」と写真が送られてきて「ああ、わたしはだめな人間だ…」と反省した。それでも「やっぱり撮影やめておきます」と言わずに撮らせてくださった古谷さんに大感謝です。
7月某日 撮影前日
数日前から天気予報を眺めていて、猛暑が続いていた。天気自体は晴れマークがビシッとついていたのだが、気温と湿度が心配だった。今回の撮影場所の候補地はいくつかあったのだが、「『古谷さんとの撮影』という大義がなければ一生行きたいと思いながら行かずに終わってしまうに違いない」という私的な理由で、『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』のロケ地・雪が谷大塚をゆるっと巡りながら撮影をさせていただくことになっていた。ゆるっと、とは言えど、ほぼ住宅街で外を歩きながら、お昼ごろから夕方までの間での撮影を予定していたのだが、すきな映画監督が「猛暑での撮影とスタッフの命だったらスタッフの命を取ります」という趣旨のツイートをされていたことも脳裏を過り、「リスケしましょうか?」と確認の連絡をすると「しばらく猛暑続きそうなので水分補給をしながらゆっくり行きましょう!」と言ってくださり、そのまま予定通り撮影を行うことにした。わたしはモンベルで日傘を買い、無印でハンディファンを買い、塗り直し用のスティックタイプの日焼け止めを買って挑んだ。
撮影当日
真夏日だったか、猛暑日だったか。とにかく暑い日だった。晴れも晴れだった。雪が谷大塚駅で、でかいポカリを持った古谷さんと合流をして、「ああ、わたしもお茶じゃなくてポカリ買えばよかったなあ、ポカリの日だったなあ」と思いながら、「暑いですね」と言い合いながら、やはり古谷さんナビの元、出発をした。
「本当は明日お休みで、撮影明日でも良かったんですけど、今日このあと友だちと飲みに行く予定があって」
「わあ、いいですね!」
「結構毎回誰かつぶれるまで飲んでしまう感じなので、明日だとつぶれている可能性もあるので今日にしてもらいました」
つぶれるまで飲んでしまうきもちはとてもよくわかるししょっちゅうわたしもやっているので「全然大丈夫ですよ」と返した。むしろそこまで配慮して予定を組める古谷さんを尊敬した。なんなら「全然大丈夫ですよ」と言うわたしのほうが前日の酒と服用している薬が抜けていなくて割と体調的には『良くない』に入るほうの状態だった。自己管理のできない最悪な人間だ。
打ち合わせのときに、古谷さんの中での三大ボーカリストは「ミスチル・バイン・植田真梨恵さん」と聞いていたのだが、ゆっくり歩きながら「昨日ちょうどグレープバインのライブ行ってきて」と古谷さんがお話してくれて「どうでしたか?」と伺うと、数秒沈黙したあとに「やっぱり、やっぱりかっこいいなって思いました」と言った。その「間」と感想、100点ですよ!と思った。
「グレープバインききますか?」
「うーんと、1枚だけきいて、1,2曲すきなやつはあったんですけど、あとは『難しいなあ』と思ってあんまりハマれなかったです、なんてアルバムだったかな」
「『イデアの水槽』じゃないですか?」
「ああ!それですそれです!」
古谷さんは「じゃあ仕方ないです、ハマれないです、それで合ってます」と言ってくれた。おすすめのアルバムをきけばよかった。わたしがはじめてグレープバインをきいてからたぶん15年くらいは経っているから、いまきいてみたら、あのときとは違う感じ方ができるかもしれない。でも、あのときにきかなければ感じられなかったこともきっとあるんだろうな。
「真空ジェシカの川北さんが『漫才師は体幹がしっかりしていないとだめ』みたいな話をしていて」
「真空ジェシカすきです!体幹ですか」
「体幹がしっかりしていないと立ち姿も決まらないし、動きがウネウネして見えてお客さんが漫才に集中できないから、漫才師は体幹が大事だ、と」
「確かにそうですね」
「M-1でマヂラブがあれだけ動いても見ていられたのは野田さんの体幹がしっかりしているから」
「なるほど…!」
「そこから結構体幹を意識するようにしてるんですよね」
体幹。わたしは猫背歴数十年、巻き肩が酷い者なので、この件を書きながら思わずスーッと背筋を伸ばした。
「漫才師でも、バンドマンでも、舞台に立つ、お客さんに見られるっていうところだと通じる部分はありますよね。佇まいがかっこいいひとってやっぱり目がいきますもん」
「そうなんですよね」
「佇まいって努力で手に入れられるものなんですかね」
「吉岡さんはどっちだと思います?」
佇まい。この数行を書いている間にまたガッツリ猫背に戻っていたわたしの佇まいはかっこよくはないに違いない。
「わたしは天性のものだと思いたいです」
「なるほど」
「どうか努力して手に入らないものであってほしい、と、思ってしまいます」
そう言ってからわたしはつくづく甘ちゃんだなあ、努力できない人間だなあ、と思った。けれど、酒なしでも素敵だなと思ったことは素敵ですと言いたいきもちはすごくあって、思い切って「古谷さんは佇まいもかっこいいですよ」と言ったら「そうですかね、ありがとうございます」とニコニコ笑ってお返事してくれた。
古谷さんのガイドの元、あちこち連れて行っていただいて、音ちゃんと練君のすれ違いコインランドリーに着いて、中にはどなたもいらっしゃらなかったので少し休憩させてもらうことにした。
古谷さん。音楽は手触り派。ビールを500杯飲み、体力がめちゃめちゃあるひと。体質的に日焼けをしない。グラスが汗をかくのめっちゃ嫌なんですよね、と言うわたしに「『グラスが汗をかく』って表現めっちゃ良くないですか」と返してくれるひと。ドーナツだけ甘党で、ミスドはダブルチョコレートがいちばんすきで「ポンデリングなんてうまいに決まってる」と言うひと(確かにポンデリングなんてうまいに決まってる)。ピンク映画も観に行かれたことがあって、毎年ひとり江ノ島・鎌倉を敢行されるひと。数年前にはひとり横浜を敢行して、カップルに囲まれながらひとりで列に並び、観覧車に乗ったひと。「何においても『オモロ』が勝つんですよね」と言っていた。古谷さんは、きっと、ひとりでもディズニーランドくらい行けるひとなのだ、あの、なんらかのキャラクターの耳をつけて、なんらかのポップコーンのバケツを持って楽しめる才能があるひとなのだと、勝手にそう思った。
わたしがフィルムの巻き上げに大失敗したやつ
実は、わたしもわたしなりに一生懸命バンドのことや作詞や作曲のことも聞いて、それに対して古谷さんは聞いたことの何倍もいろいろなお話をしてくれた。たくさんたくさんお話していただいた。けれど、ここまで読んでくださった方ならお分かりだと思うのだが、わたしは全然そのことについて書けなかった。何度か書こうと試みたのだが、どうしても「ポンデリングなんてうまいに決まってる」が勝ってしまった。これが「『オモロ』が勝つ」ということなんだろうか。わたしは勝てているだろうか。古谷さんは「良い歌詞が書ける自信はある、でもその先のことを考えるとなると難しい」と言っていた。ああ、わたしもそうだなあ、と思った。絶対に良い歌詞を書く自信はある。でも「その先」のことなんてわたしは考えたこともなかった。だからわたしはずっとインターネットの深海で溺れ続けることしかできない”自称ミュージシャン”なんだろうなあ、とぼんやり思った。
「3時間がっつり歩きましたけどトイレ行かなかったですね」「全部汗になったんですね」と言い合いながら雪が谷大塚の駅まで戻った。古谷さんは汗をかく想定をして、着替えを持ってきていたらしく、ただこのあとのお友だちとの約束まで微妙な時間で、「一旦家帰ってシャワー浴びるかな」と一瞬だけ迷われたけれど即座に「いや、そうすると持ってきた着替えが無駄になるのでやっぱり帰らないです」と言った。古谷さん曰く「結果が全て」らしい。「一旦家に帰ってシャワーを浴びる選択をすると、今日1日持ち歩いた着替えが無駄になるのが許せない」と言っていた。わたしだったらシャワー浴びに帰っちゃうかも。備えあれば憂いなしで着替えを持ち歩いたことで安心できたなら、せっかく持ち歩いたけどそれはそれでいっか、って思っちゃうかも。
わたしたちは撮影後に向かう方向(古谷さんはお友だちとのお約束、わたしはフィルムの現像)が五反田まで一緒だったので、東急線はご一緒させていただいて、五反田に着いて、その次の山手線では各々逆方向だったのでホームで解散をした。
現像した写真を見て、「そうそう、古谷さんのこの表情を撮りたかったんだよな」と思える写真が何枚かあってうれしかった。シャッターを切る力が少しずつ付いてきているのかもしれないと思えた。
この企画をもう少し続けられることができたら、第20回目くらいでまた古谷さんを撮りたい。そのときは音楽のこともちゃんと書くぞ。ちゃんと書けよ、わたし。(古谷さん、たくさんお話してくださったのに結局こんな感じになってしまってごめんなさい、暑い中ありがとうございました)
写真企画 さみしくない点
#3 グラスが汗をかく前に
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会ったひと:古谷(バンドマン)
【古谷さんが所属されているバンド】
・Gum Girl
ツイッター / @GumGirl5
インスタグラム / @gumgirl0430
・CokeColor,DearSummer
ツイッター / @ccds_official
インスタグラム / @cokecolordearsummer
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写真・文:ヨシオカミノリ
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