イマジナリの澱み

2023/10/11

日記

 ・どうしたってマヂ病みエンド

うちの周りには遅くまでやっている喫茶店がなく、営業日も不規則なお店が多いから、ここにわたしがお昼過ぎくらいから23時くらいまでやっている喫茶店をぶち立てて、寡黙な店主としておいしいコーヒーとおいしい工芸茶とかを淹れて、ナポリタンとかパフェとかシフォンケーキとか作って、シガーロスとかムームとか流して、じぶんの写真とか飾って、ときどきちょっとしたライブとかやって、店名のマッチ置いて、トートバッグとか作って売って、そして、Googleレビューで「愛想が悪い」「接客態度が悪い」「ガラガラなのに注文したものが出てくるのが遅い」「会計が遅い」「やめたほうがいい」とかボロクソに書かれて病むんだろうなあ


・鬱のときの絵文字みつけた→🛌
勤労の義務も納税の義務も果たせずすみません、うんちとおしっこと二酸化炭素とかを作り出すだけの管ですみません、人類の種の保全のために子孫を作ることもできずにすみません、生きていてすみません、のきもちになるとき、どれだけじぶんの存在が強大だと信じてるんだろう、でも、父や母がわたしの子どもを抱っこしたりあやしたりおもちゃを買い与えたりする姿はみたいかもしれない、でも、それだけで子どもを育てることはできない、でも、1年くらい前にめぐちゃん(友人)と「しあわせってなんだろうね」みたいな話をしたときに、「おれはやっぱ子どもだと思うんだよね、周りのひとみんな喜んでくれるじゃん」みたいなことを言っていたことを思い出して、ああ、周りのひとみんな喜ばせたい、喜ばせられない。こちら、あれから1年後のわたし、あたまおかしい手当をもらうための手続きを調べる、わからない、こういう手続きすらひとりでできないあたまのおかしさだから申請したいのにあらゆるホームページを読んでもどうしたらいいかわからない、いやたぶんなにも読めてないんだけど、しかもわたしの状況だとお金をもらえないかもしれない説もあるっぽくて、あくまで「っぽい説」だけど、でも診断書書いてもらったから絶対に手続きをしたいんだけど、でもわからなくて、ずっとこことここをぐるぐるぐるぐるしていて、すごい泣いちゃう。インボイスなんてわからなさすぎるからやめてほしい。国から「死んじゃいな」って言われている気がしてくる


・制作
点#4を書いている。前回から1年以上経ってしまった。久々に書いている。近づく、遠ざかる、近づく、遠ざかる、散らかる、整える、散らかる、整える、進んで、戻って、進んで、戻って、そうだ、そうだ、これは、こういうことを繰り返して書いていたんだ、という感触みたいなものが蘇る。繰り返していればできる。これまでも繰り返しているうちにできた。イマジナリティモンディ高岸「やればできる!」、先週の日記帳のわたし「できることをひとつずつ」


・制作2
曲も作っている。4曲10分ちょいのいつもの感じのやつになりそうで、1曲9割、2曲4割、1曲2割できたかもしれないくらいの地点にいる。曲名も曲順もEPのタイトルもだいたい決めた。アートワークも2候補くらいまで絞った。くるしい。ここからここまでディレイをかけたいけれどかけ方がわからない、あたまの中で鳴っている長さもわからない、調べ方もわからない、数え方もわからない。くるしい。そこをイマジナリ向井秀徳が人力ディレイをしながら通り過ぎていった。わたしも人力ディレイをすることにした


・行間案件
相手から「また連絡します」と言われて一旦やりとりが終わっているイベント、いつか「また」の瞬間が来ると思っていた、しかし、自宅のトイレでくだらないナプキンを取り替えているときに、カルテットで家森さんが「行間案件だ!」と言ったシーンが不意に再生される、行間案件だ!、行間案件だ!、行間案件だ!、行間案件だ!、家森さんが人力ディレイしつづける中、わたしは雷に打たれてしまった、不意打ちだ、しばし便座に座ったまま固まった、ああ、実はすべて「もう連絡しません」「もう連絡してこないでください」だったのか!生理のときは憂鬱になってもいい気がするところだけ良い、あとはだいたい最悪、おなかも下しちゃうし、生理用品って消費税10パーセントだし、きょうは行間案件を知ってしまった、知らずに待ち続けるのと、知って絶望するのと、どっちが良かった?知って絶望した世界にやってきて、今後は「行間案件ではありませんように」と祈り、待つようになっただけだ。そして、すきなだけ待ったあとに「行間案件だったね」と人間関係に終止符が打たれ、また絶望する。あのときにはもうあのひとの人生からわたしは消えたんだ。ずっとモブキャラだね、ずっとモブキャラなんだね、わたし、そもそも不本意に股座から血が出ているのに平気なわけがない。これはわたしにとってかなり不本意な仕組み


・ゆかりちゃん
小学生のとき、ゆかりちゃんという女の子がいて、ゆかりちゃんがわたしたちのすべての流行の最先端にいた。ゆかりちゃんの書く字はかわいかった。あの時間、あの場所にいたわたしたち特有の、「真似はだめ」という空気をなんとかごまかせる程度に、わたしはゆかりちゃんの字を真似して書くようになった。その字で国語のテストに答えを書いて、丸つけをされて返ってきて、母に見せたら「癖のある字を書くのはやめなさい!」と叱られた。母は達筆で、父は不思議な形の字を書く。内心、「父だって不思議な形の字を書くじゃないか!」と憤慨したが、わたしはなんにも言わなかった。その日以来、母に見られる可能性があるものに書く用のきれいな字と、すきな形の字を書き分けるようになった。そして、いつのまにか変な形の字しか書けなくなった。16歳か17歳のときにすきなひとと楽器屋さんへ行ってギターを買い、レジで店員さんに言われるがままなんらかの紙に名前とか住所とか電話番号とかを書いた。もう変な形の字しか書けなくなっていた。彼がそれを見て「汚い字だな」と言った。店員さんが「そんなことないですよ」とフォローしてくれ、イマジナリ母が「癖のある字を書くのはやめなさい!」と言った。彼の書く字は大人が書くようなきれいな字だった。かつてわたしが母に叱られないために書けていた字の何倍もきれいだった。彼が焼いてくれたMDに差し込まれた、曲名やバンド名を書いたカードを見るたびにうっとりした。すべての字が、すきな線とすきな位置とすきな余白を纏っていた。その字の列を指でなぞって、大人になったら母や彼のようなきれいな字を書ける時期がやってくると思っていた。もちろんそんな時期はやってこない。もちろん彼の人生から早い段階でわたしは消えたし、ゆかりちゃんの人生からも早い段階でわたしは消えた。記憶の中でゆかりちゃんの字はどんどんかわいくなってゆくし、彼の字はどんどんきれいになってゆく。消えたわたしは契約書や問診票やゲストリストやあらゆる紙を前に手元を見られながら字を書くのが苦手になり、母は今も達筆で、父は今も不思議な形の字を書く。「癖のある字を書くのはやめなさい!」、イマジナリ母に対して最近のわたしはときどき「もうこの形でしか書けないんだよ」「これに錆フォントとか季フォントって名前つけてJIS第二水準まで書いて売って令和のエモハイエナに買ってもらってお金を作るから許してください」とヘラヘラ言い訳できるようになった


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