シングル「ひみつの話(言えなかったことが山ほどある)」リリースおめでとうございます。今年の3月にリリースしたEP"ひかり探して"以来、9ヶ月ぶりのリリースですね。
–– ありがとうございます。今年はもうリリースする予定はなくて、2026年以降に向けて作品を作っていこうと思っていて、曲の種みたいなのがあるかなと思ってフォルダを漁っていたら「ひみつの話」があるぞ、となりまして。これ、かなり古い曲で、"ひかり探して"に入っている「メタフィクション」と同じく、"モノローグと恋人たち"という幻のミニアルバムを作ったときの曲のひとつですね。
このタイミングでリリースしようと思った理由はありますか?
–– 久しぶりに当時作った「ひみつの話」をきいたら純粋に、こりゃ良い曲だぞ、となって。「ひみつの話」は27歳くらいのときに作った曲で、そのころ父と2人でユジノサハリンスクに旅に行く計画を立ててたんですけど、その数日前に、父が心筋梗塞で倒れまして、「このまま父が死んじゃったらどうしよう」ってめちゃくちゃ後悔しまくったんですよね。「やばい、父になんにもみせられてない」ってなって。で、手術は成功して、一命を取り留めて、ユジノ行きの計画は一旦キャンセルになったくらいで済んだんですけど、そのときに「父のことを書こう」と思って作った曲です。…というのが前置きで、12月はわたしと父の誕生月なんですけど、父の誕生日に合わせて「ひみつの話」をリリースし直したい、もう一度世に出したい、というきもちがフッと湧きまして、編曲し直した感じです。間に合って良かったです。
編曲し直すにあたって、こだわったポイントはありますか?
–– 構成もリフも歌詞も良いと思ったので、結果としては、リズムパターンとコーラスを熱心に考えたくらいで、あとはほんとにちょっと手を加えた感じですね。背伸びしてできないことをやろうとするのはやめよう、と思って。今までも、曲を作るぞ!ってなってDAWを立ち上げたとき、あれこれいろいろやろうとするんですけど、…今回の場合は現時点では書けもしないストリングスを書きかけたんですけど(笑)、違う違う、ってなって、今回もじぶんのすきな音をすきなところに置いただけです。
間奏のピアノのリフが印象的です。
–– これも、当時打ち込んだリフをほぼそのまま使っています。当時からこのリフはピアノの音色で打ち込んでいて、編曲し直すにあたって、「THEピアノって感じの音はMKRDTSBっぽくないかな?」と思ってあれこれ音色を変えてみたりしたんですけど、結果的に、「このリフはピアノが良いな」となりまして、多少リバーブと歪みを足したくらいですね。良いリフですよね。今はもうこんな長いリフ打ち込めないと思う(笑)
お父さまのお誕生日に合わせてリリースしたい、と思ったきっかけはなんですか?
–– 「ひみつの話」で「それがなにかときかれると/今はまだ時間が足りないせいにするんだけど」と歌ってから7年経って、その間「ひみつの話」はお蔵入りしていたわけですけど、父になんにもみせられない、というのはずっとあって。いつまで「時間が足りないせいにする」んだ?と思いまして。なので、照れくさいですが、改めて誕生日プレゼントとして、ラッピングをし直して贈りたい、というきもちですね。まだまだ父に「みせたいもの」もありますし、「いっしょにみたい景色」もあります。とりあえず、前から父母が台湾に行きたがっているので、来年いっしょに行く約束しました(笑)
お父さまには直接「ひみつの話」をリリースしたことは伝えるんですか?
–– ウワー、無理ですね!恥ずかしくて(笑)。口コミが巡り巡って、いつか父に届いたらいいなって思ってます。口コミの力を信じてる。
"ひかり探して"では、パレスチナのことを歌った曲がメインに据えられていましたが、「ひみつの話」は作った時期もあるんでしょうけど、非常にパーソナルな曲ですよね。
–– わたしにとっての日々とか生活とかは「ひみつの話」ですけど、パレスチナのひともそうだし、地球で暮らすひとそれぞれに「ひみつの話」があると思って。デモとかプロテストとか、社会運動に参加するようになってまだ2年くらいなんですけど、そういう、みんながそれぞれ営む日々や生活を、奪いたくないし、わたしも奪われたくないし、という思いをかなり強く持つようになりました。だから、パーソナルな曲ではあるけど、このタイミングでリリースすることにはわたしにとっては大きな意味がありますね。
たくさんのひとにきいてもらえると良いですね。
–– うーん、相変わらず、商業的に成功したいとかは思わないし、万が一、"万"じゃ足りないか、億が一、成功できたとしてもわたしの脳の構造的にキャパオーバーしちゃうと思うし。資本主義的な成功には興味がないんですけど、でも、いずれ父に届けたいので(笑)、そういう意味ではたくさんのひとにきいてもらえると良いな、と思います。
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