「なにか手伝うことありますか?」とか聞けないの?と言ってくるひとがにがてだ。にがてなことが多すぎる。聞けないわたしが悪いのはわかっているのだけど、お手伝いしてほしいことがあるならそちらから言ってほしい。変に手を出して相手のペースを乱すのも迷惑な気がする。と言ったら「だから聞くだけでもお前の印象違うだろ」とめちゃくちゃに言われたので、わたしがアホなんだと思う。それ以来、3人以上でなにかするのがこわくてたまらない。もともとチームプレイや複数人で過ごすのがにがてだったのだが、ふたりのときでさえ、話すタイミングがかぶってしまっただけで息がつまりそうになる。
ああ、しんどいなあ、心臓痛いなあ、と思ったとき、たいていパソコンからでんぱ組.incの「あした地球がこなごなになっても」が流れ出す。動悸の「悸」は「季の心」と書くの、おもしろすぎる。高校生のときの英語の授業で「minority」の中に「minori」がいるのをみつけてうれしくなったきもちを思い出してしまう。
3日くらい前の通院日に近況についてお話したらくすりが増えたり、増えたり、増えたり、変わったりして、新キャラのくすりをはじめて飲んだら、一睡もしていないのにぜんぜん平気になっちゃって、落ち着かなくてずっと家の中をウロウロしたり、一度に煙草は2本までと決めたのに3本も4本も吸っちゃったり、台風の後の川みたいに、脳みそから感情や言葉が溢れてきて、お友だちに延々ラインを送りつづけてしまったり(いやこれはいつもだな、いつもごめんなさい)、不安や希死念慮がポヤポヤになったり、あきらかに己の様子が普段と違いすぎてウーてなった。別のお友だちから「お茶しませんか?」とご連絡をいただいて、なんか!大丈夫かも!と思い、シャワーを浴びて(シャワー浴びられた!)、着替えをして(着替えられた!)、泣いちゃうかもと思って薄めのお化粧をして(といっても瞼にキラキラ乗せるのやめただけ)(いつもまゆげちょこっと描いて瞼にキラキラ乗せて目尻にチョンてアイライン引いてまつげ白っぽくしておしまい)(お化粧の仕方ずっとわからない)(お化粧できた!しかも「泣いちゃうかも」って未来の想像ができた!)、外に出る。光がまぶしい。踏切の音はなんだかポヤポヤして平気だった。電車と地下鉄の音はこわい。地下鉄に少しだけ乗って、待ち合わせの街へ向かう。ミスドに入って、トレーとトングを持った瞬間落としそうになってびっくりする。それ以降はドーナツも落としそうになるし、コーヒーも落としそうになるし、ペンも、ハンカチも、煙草ですらも落としそうになり、最終的にはかぶってきたフライトキャップが重くて頭痛がし始め、お友だちにはごめんなさい体調がおかしくなりましたと連絡をして、結局お茶はできずに帰る。改札を潜ったあたりで己の腕すら、脚すら重くて、思うように動けなくなる。ホームで派手に転んで、あっという間にパニックになった。たすけて、たすけて、たすけて、と思うけれど言葉にはできず、涙がボロボロボロボロ出てきた。来た分とおなじだけ地下鉄に乗って帰らなければいけないのだが、途中の「ふおーーーーん」という不快な音で完全に脳みそがおかしくなった。這うように階段をのぼり、もうだめだ、となって、改札を出る直前で父に電話をかける。つながらない。今度は母に電話をかける。すぐ母は出てくれて、お願いの仕方がわからない、頼り方がわからない、と思いながら、「外に出てきちゃって」「具合悪くなっちゃって」「歩けない」「迎えにきてほしい」と話す。母は「すぐに行くからね」と言ってくれたが、迎えを待っている間に手も足もだれかに少しずつ取られてしまったような感覚で、重くて、重すぎて、重力にすら耐えられなくなって、救急車呼んでいいかな、とぐるぐるぐるぐるし始めたところでその場に倒れこんでしまった。母がちょうど来てくれて、救急車は呼ばずに済んだのだが、それから後は朦朧としていて記憶があまりない。目が覚めたらベッドの上で寝ていて、家の中は置き散らかした荷物や脱ぎ散らかした服が散乱していた。こわい。こわいこわいこわいこわい。
すみませんってすぐ言うのやめなよ、無理して笑わなくていいよ、と言われて、あああ、またわたしの心のつっかえ棒になる言葉をかけられてしまった、と、これを書きながら噛みしめている。心とあたまがおかしくなってからというもの、もともと低かった自己肯定感や自尊心は容赦なくゼロになり、夏に一瞬だけ付き合っていたひとの振る舞いや言葉や仕草によってマイナスにおおきく振り切れていた。なにもかも全否定されて、わたしはわたしのままでいてはいけないんだと毎日毎日どうにもならない不安にあたまを抱えていた。わたしのままでいても許してくれるお友だちがいるのはわたしにとって、おおきな、とてもおおきな救いになってしまうな、救われてばかりだな、お返しのできないひとは与えられてはいけない、救われてはいけないという呪い早く解けてほしい

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